本校の理科では、自然教育や環境教育をも含めた大きな意味での「自然を学ぶ」取り組みを目指しています。
そこでは、
(1)「自然を利用する」という観点から、自然の「多様性」を学ぶ。
(2)自然の恵みは無限ではなく、むしろ失われていく危機に直面しているものも多いことを学ぶ。
(3)自然と人間との「共生」のあり方について探る。
という3つの柱(段階)を設け、じっくりと自然の仕組みや豊かさを認知する取り組みから、自然や環境に関わる問題意識育成までのプロセスを重視しています。
そのため、理科の授業でも実験・観察や様々な機会を利用したフィールドワークの充実など、子どもたちが実物・本物に接する機会をできるだけ多く設けています。 また、各学年で実施している各種・各方面への本校独自の合宿も、当地特有の自然の摂理や歴史・文化を学ぶフィールドワークの絶好の機会として位置づけています。
目の前の子どもたちの世代は、生活環境としての地球の行く末を真剣に考えなければならない宿命を背負っています。私たちは、すべての子どもたちが「自然と人間の共生」の大切さを理解できる人間に育ってほしいと願っています。そのために、子どもたちに自然の不思議さや素晴らしさに出会う・発見する機会をできるだけ多く提供し、「自然の多様な姿を体と心(五感)でとらえること」・「体験を通してとらえること」・「総合的にとらえること」の大切さを学んでほしいと思っています。 そうして身につけた素養の裏づけを基に、あらゆる機会を通じて「自然と人間の共生のあり方」を問うことの大切さを、子どもたちみんなが身につけてくれることを切に願っています。
本校の創立以来の伝統的な学習法であり、子どもたちが「学び」をする原点の教科である『お知らせ』は、1年生の当初から、子どもたち一人ひとりが身の回りにある「自然のもの」を交代で教室に持ち込み、クラスの皆の前で発表することから、その活動が始まります。それはまた、「自然学習」の萌芽の瞬間でもあります。
発見する力・観察する力・発表する力・聞く、聴き取る力・考える力・継続して追究する力などをつけ、子どもたち一人ひとりが研究する喜びに目覚めることによって、子どもの数だけ小さな博士が誕生します。
「生き物の成長と体のつくり」や「季節と生き物の様子」の学習の一環として、広大な学校園を有効に利用しています。3年生では大輪のヒマワリを、児童各自が種子から栽培・観察しています。また、4年生は大々的にヘチマの栽培をしています。生長にともなう折々の変化を観察記録に綴ったあと、成熟・乾燥したヘチマから立派なタワシを製作します。
高学年になると、これまで取り組んできた自然・環境教育もまとめや発展の要素がより一層濃くなります。
また、実験・観察の内容も深化・高度化していきます。もちろん、中学進学に向けた学力の向上(精選された教材・課題と効率のよい問題演習)にも、児童・スタッフ一丸となって集中して取り組みます。
さらに6年生では、「琵琶湖博物館」での研修を糸口に、各自が「自然と人間の共生」や「環境問題」に関する研究テーマを見つけ、深く長い追究の末、「卒業論文」としてまとめあげるという、重厚な取り組みを行っています。
【5年生】
種子の発芽の学習の延長で、食農体験も兼ねてスタートした学校園でのトウモロコシや豆類の栽培活動。秋のバザーでは伝統の「八百屋」を出店しますが、そのための多種大量の有機野菜の栽培も5年生が担当します。例年バザー当日には、山積みされた種類豊富な野菜が、瞬く間に完売します。 学年の締めくくりでは、「塩分濃度の知覚実験」や、「食塩水の蒸留実験」と絡めてフラスコ内を「真空」に近い状態にする実験に取り組みます。
【6年生】
授業が中学入試対策中心になる秋。入試問題演習の間に、「水溶液」の発展学習として、身の回りの素材からリトマス紙やBTB液に代わる指示薬を探す実験をします。意外なものからもカラフルかつデリケートに発色する指示薬がたくさん見つかります。また「人体」の発展学習では、スルメイカの解剖実習を行います。一人一匹ずつの解剖は緊張しますが、イカには心臓が三つあることなど、新しい発見がたくさんあります。そして、6年生の最後に取り組む「環境問題」がテーマの卒業論文。その中では、海も山も川も街も…水も空気も動物も植物も、汚され痛めつけられて泣いている事例がたくさん報告されます。急速に破壊され、変えられ、消えゆく自然(私たちを取り巻く環境)。それは結局、私たち人類自身の悲劇につながりかねないことを、子どもたちはこの卒業論文への取り組みを通して学んでいきます。
東北・林間学舎
六年生の初夏に実施する岩手・秋田県での林間学舎では、秋田駒ヶ岳の自然観察登山で「聖域として保護されなければならない太古のままの自然の姿」を学び、小岩井農場の森での自然体験学習では「人間の生活と共存する管理された自然の様子」を学びます。自然の持つ多様な意味や価値を探究することで、人と自然の共生の大切さを理解します。
<秋田駒ヶ岳自然観察登山>
<小岩井農場森林体験学習>
琵琶湖博物館研修
環境に関する問題提起を世界に向けて発信しているこの博物館での研修を契機に、六年生は環境問題に対する自らの追究の方向を探ります。また、学芸員の指導を受けて、化石や植物と環境問題をテーマにした実習を行います。
土曜自然教室
「自然を学ぶ」取り組みのスペシャル企画です。各学期に1回、高学年を対象に開催しています。これは時間などの制限のある日常の授業の中では到底出会えない、よりインパクトの強い精選した自然の姿を求めて、ダイナミックに大自然の中に分け入る活動です。いずれの活動も厳しいアプローチが課せられますが、四季折々に変化する自然の懐に抱かれながら、その巧みで繊細な自然の姿や不思議さを、子どもたち一人ひとりが驚きや感動として実感することは素晴らしいことです。厳しい自然の洗礼の末、目的の『地球の宝物』に出会えた瞬間、きっとその子にとっての大自然への扉が大きく開かれたと言えるでしょう。
学校農園
学校農園には、大根・とうもろこし・ピーナッツなどを植えています。みんなで水やりや雑草抜きをして育てた大切な作物を収穫する時は、うれしくてたまりません。農園は、みんなの大好きな場所です。《3年男子》
田植え
ぬるぬるした田んぼに足を踏み入れての田植え。何もかも初めての経験でした。この細くて頼りない苗が、たくさんの穂をつけたりっぱな稲になるのかと思うと、とても不思議です。秋の稲刈りにはいっぱいお米を実らせてぼくたちを待っていてね。《5年男子》




































